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燕京雑考@ブログ版
中国・北京の歴史、風習を紹介。一日一つを目指します。
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「バラと芍薬」(燕京歳時記)

バラの花は潤いを帯びた紫色で、人々はその甘い香りに魅せられる。特に女性が好きな花だ。四月、花が咲き始めると沿道には売り子が出る。呼び売りのそのこえはゆったりとしていて、早朝にその声を聞くのは趣きぶかいものがある。

芍薬は、豊台で育てられている。豊台一帯では見渡す限り芍薬が植えられている。四月蕾が膨らんでくると、切花として売りにだされ、都の巷で売り歩く姿がみうけられる。「楊貴妃」などの名前がつけられている。

これらの花は季節に咲き、人工的に季節を変えて咲かせることができない。花の中でも芯の強い花だ。

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「麦こがし」(燕京歳時記)

四月、麦が実り始めると、麦粉を炒って砂糖とあわせてこれを食べる。これが麦こがしだ。

「アシの芽とゆすら梅」(燕京歳時記)

四月の半ば、アシの芽とゆすら梅を一緒に食べるのは、なんと言っても最高だ。

古詩に
「蘆筍生時柳絮飛(アシの芽の生ずるの時柳絮飛ぶ)」、
「紫桜桃熟麦風涼(紫のゆすら梅熟れるころ麦風凉し)」
と読まれているが、まさにこの時期に相当している。


訳注
アシの芽: 葦の芽は、細いたけのこのような、そんな植物です。
こちらで紹介されているのを見ました。
http://www5c.biglobe.ne.jp/izanami/coramu1/udono.html

ユスラウメ
「うぐいす」(燕京歳時記)

四月の末、花も盛りの時期になると、なぜかはかなげな気持ちに襲われるものだ。柳の陰ではうぐいすが笙を奏でているかのようにさえずっているのは「斗酒双柑之楽(斗酒双柑の楽しみ)」といったところか。しかしこれも時間とともに過ぎ去り去ってしまうものである。

古詩に「黄栗留鳴桑椹美(うぐいす留まり鳴きて、桑のみうつくしく……)」とあるが、まさにうぐいすは鳴き、桑のみが熟している、都の今の季節だ。

「楡菓子」(燕京歳時記)

三月に楡の木に銭型の種子がなり始めると、これを集めて砂糖や小麦粉とあわせて菓子を作る。これが楡菓子だ。
四月のバラの花をいれたものはバラ餅といわれる。
また藤の花を入れることもありそれは藤餅といわれる。
これらはすべて季節の食べ物だ。

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