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中国・北京の歴史、風習を紹介。一日一つを目指します。
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紫禁城内の扁額

扁額とは建物や門などの名まえを書いて書けてある額のことです。中国では到るところで、赤い縁、そして紺地に金色の文字の扁額を見かけます。

さて、故宮、つまり紫禁城にもたくさんの扁額がかかっていますが、実は外朝部分の扁額のみが漢字だけで書かれていることをご存知ですか?

紫禁城は明の時代に建てられましたから、その当時は漢字のみの扁額だったと思われますが、満州族の清が中国を支配するにいたり、彼らは明の宮殿であった紫禁城を自分たちの宮殿として使用します。その際に建物や門の名前は改称され、扁額は漢字と満州文字でかかれました。そのため、現在でも紫禁城以外でも多くの皇帝関連の場所では漢字と満州文字の扁額があります。

それではどうして外朝部分、つまり、紫禁城でも政治を行う南の部分のみ漢字だけの扁額なのでしょうか。

それには理由があります。清が辛亥革命によって滅亡したあと、袁世凱が中華民国臨時大総統の地位に就き、その後帝政宣言を行い、自ら帝位に就きます。結局は帝政を3ヶ月で取り消しますが、その間に、紫禁城内の扁額を漢字のみに書き換え、漢民族による王朝だと言うことを示そうとしました。つまり3ヶ月で書き換えられたのが外朝の扁額だったわけです。内廷つまり後宮部分の扁額は書きかえられることなく、現在でも清朝時代の扁額が残っています。

ちなみに、天壇の扁額は書きかえられており、漢字のみとなっています。袁世凱が帝位に就いていたときに儀式を天壇で行っているため、そのときに書きかえられたようです。

漢字のみの扁額


清朝の名残のある漢字と満州文字の扁額
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