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中国・北京の歴史、風習を紹介。一日一つを目指します。
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牡丹と芍薬の違い

立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花... そんな言葉のあるボタンと芍薬ですが、どちらも中国では一般的な花で、特に牡丹は花の王様ともいわれ、中国の国花ともなっています。
そんな牡丹に良く似ているのが芍薬の花。この牡丹と芍薬の違いですが、牡丹は木本性(樹木)、芍薬は草本性(草)に分けられます。そういうこともあるからでしょうか、牡丹の別名に「木芍薬」という名前があります。


牡丹と芍薬

写真は季節の花 300さんから


牡丹に「木芍薬」という別名があるのなら、芍薬のほうが歴史があるように思えますが、調べてみると、『詩経』(紀元前2000~紀元前1500年ごろ)のなかに、芍薬を贈ったという文章があるそうです。晋(265-420)の書物には観賞用として栽培されていたことが記載されています。牡丹はそれに比べて書物に記載される事は遅く、南北朝時代にようやくその名を見つけることができるようです。しかし唐の時代の書物にも「木芍薬」という名で牡丹が書かれていましたから、芍薬のほうが一般的だったのかもしれません。隋から唐の時代に牡丹が尊ばれ、寺院などに牡丹園が造られ、それ以降、牡丹は花の王様としての地位を確立します。北京でも崇效寺ばかりではなく、臥仏寺の牡丹園が有名です。

牡丹が、高貴な花であるのに対して、芍薬は庶民の花といったところでしょうか。。昔から北京近郊の豊台で大量に栽培され、つぼみのつく旧暦四月ごろには切花として行商されたといいます。人々はこれを買い求め、花瓶に挿して飾り、楽しんだそうです。

はてさて、見たところ、どんな違いがあるのか... まず、芍薬は、すっと枝分かれなどなく立っています。そして牡丹は枝分かれするので横張りの樹形になります。そこから「立てば芍薬、座れば牡丹」といわれるようになったようです。また茎といいますか、幹といいますかを見るとすぐわかるのですが、前述のように牡丹は幹(木)、芍薬は茎ですからわかりやすいと思います。ご参考までに。

どちらも素敵な花です。皆さんも是非、お楽しみください。

~蛇足~

「木芍薬」という名前が気になって調べたところ、中国ではどちらも芍薬科、日本ではボタン科に属するようです。同じ花でもこの違い。面白いですね。以前はキンポウゲ科にどちらも属していたようですが...。

芍薬は、その名前からもわかるように、古くから漢方薬として用いられてきましたが、牡丹もやはり根の皮を漢方薬として使います。芍薬は鎮静、鎮痛剤として、牡丹は血の巡りを良くする薬として処方されるそうです

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