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燕京雑考@ブログ版
中国・北京の歴史、風習を紹介。一日一つを目指します。
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中秋の月餅で都第一と名高いのは前門の致美斎のものだ。ほかの月餅は食べるに値しない。

月に供える時期になると到るところで月餅は売りに出される。大きいものは30cmほどの大きさのものがあり、月の宮殿と月ウサギの模様がついている。祭り終わったあとにすぐ食べる人もいるし、大晦日までとっておいて食べる人もいる。大晦日までとっておいて食べる月餅を「団欒の月餅」という。



『帝京景物略』には、
八月十五日には月を祭る。このとき供えられる菓子や果物はすべて丸いもので、瓜はギザギザに刃物を入れ蓮の花の形に切られる。紙を売る店では蓮華の上に満月が鎮座している模様が描かれた「月光紙」が売られる。これは月光遍照菩薩を意味している。蓮華の下には月にあるという宮殿と杵を持って立ち、薬をついているウサギが描かれている。紙は小さいもので10cm、大きいもので3mほどの大きさで、緻密に金色や鮮やかな色彩を用いて描かれている。家々では月の神様の祭壇を月の出る方角に設け、供え物をして、月を拝む。その後、月光紙は焼かれ、供え物をさげ、家人に分け与え、月餅や果物を親戚などで贈り合う。月餅は60cmほどの大きさのものもある。女性はこの日里帰りをし、嫁ぎ先にまた戻るが、そのため「団欒の節句」ともいわれる。
とかかれている。ほとんど現在の言い伝えと変わりはなく、月に供え物をする習慣は相当古いものであることがわかる。

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