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燕京雑考@ブログ版
中国・北京の歴史、風習を紹介。一日一つを目指します。
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重陽に、蟹の糟漬けで良郷酒を飲むのが最高だ。良郷酒はもともと良郷の酒だが、このごろでは都でも作られるようになった。良郷酒は芳醇で、これを飲めば心地よくなる。しかし暑さに弱く、夏を越すことができない。洋梨は、梨の一種で、形はマルメロの形、色はアヒルの雛のような色をしている。そのため「鴨児廣」ともいうが、廣は黄のこと。柿とサンザシは多くの需要があるが、都の季節の風物だ。

『寄園寄所寄』と言う書物にはこんなことが書いてある。
明の太祖がまだ身分が低かったころ、二日間食事も出来ずに、従うものもなくただ一人剰柴村を通りかかった。そこには見捨てられた庭園があった。すべて兵卒によって焼き払われ、塀も壊れ、樹木も痛んでいた。太祖は寂しく、あたりを見渡した。見ると、庭のすみに一本の柿木があって、柿の実が熟していた。太祖はこれを取って食べた。十個も食べるとお腹も満たされながらも、心痛めてこの地を去った。1355年、あたりを平定した際この地を通りかかったところ、まだその柿の木は残っていた。太祖はその木を指差し人々に、その柿の木について話して聞かせた。そして馬から下り、赤い上着をその木に与え「汝を凌霜侯に封ずる」と仰せになった。
柿木の、君主に対する功績だ。これをここに記しておきたい。ほかにも記載があるが、この柿木の幸運をたたえているのだ。

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