燕京雑考@ブログ版
中国・北京の歴史、風習を紹介。一日一つを目指します。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
西湖より包頭まで 5 燕京の二日間 -03 地質調査所
9月1日江浙火ぶたを切った当日、横浜正金銀行に行って両替をすると、100円につき74元だ。
えらく影響したなと思う。
70元には下るだろうとの話であったが、
爾来円価漸落、70元を突破して64元になった。
このことはわれらの後日の行動に支障を来たさしめた一大原因である。
ぐずついてはいけない。明日は早く包頭に向かうと相談一決。
たまたま拓殖大学教授・宮原民平氏が内蒙古より帰京、
我等の隣室に来られたので、さっそく種々事情をきく。
やがて国際観光局に行って綏遠までの切符の周旋を頼む。
午後1時になる。
農商部地質調査所にゆき、屯絹胡同に同所次長・章鴻釗氏の寓居を訪ねる。
けだし士流の居宅の様子を見学した形だ。
上房客室にて種々歓待をうけ、やがて同氏に案内せられて再び調査所に至り陳列室参観。
あらゆる岩石鉱物の標本と、これに懇篤な地質図や説明書がつけてあるのに感心する。
宣昌付近氷磧層、南沱氷磧層などの地質図をはじめ各種の地図類のほかに、
左記のような解説をみる。ちょっと記して参考に供する。
山西河南間、黄河岸三門地方有砂礫層、見於黄土之下、山西平陸縣三門黄土之下三門祖砂礫層、時代當不過初期洪積統以前、三門以下在垣曲縣層、河底地方又有此層剖面如左圖云々。といったような調子で、これを見ると読むといずれも面白い。
出版物の2,3種を買いて辞去する。
~>゜)~<蛇足>~~
1923年9月1日に起きた大事件は、関東大震災です。
その影響で円がかなり暴落したようです。
横浜正金銀行 原文では正金銀行ですが、わかりやすく正式名称に変えました。
PR
この記事にコメントする