燕京雑考@ブログ版
中国・北京の歴史、風習を紹介。一日一つを目指します。
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私が留学したころにはまだずいぶん見かけが、四半世紀が経ち、見かけることがなくなったものの一つに、おばあちゃんの小さな足がある。
小さな足のおばあちゃんは、昔風のチャイナカラーの木綿のブラウス(色はたいてい薄い灰色)に黒っぽい色のズボン。そしてちょっと代わった布靴をはいている。そして、外股にヨチヨチと歩いている。初めて見たとき「あ、これが纏足した足なんだ」と心に痛みを感じながら目をそらしたことを覚えている。
李華さんの思い出話だ。彼女のお母さんは子供も少なく、だから甘やかされて、その時代の風潮もあってちょっとだけ足を縛っただけですんだという。だけど、普通の足の形はしていなかったと。そして彼女の四合院に間借りをしている80歳近くのおばあちゃんはやっぱり小さい足をしている。
もう数年経ったら、消えてしまうであろう、今でも残る、昔の弊習の名残。
足をこのように矯正していた。
東方書店出版
「チャイニーズグラフィティ」より
小さな足のおばあちゃんは、昔風のチャイナカラーの木綿のブラウス(色はたいてい薄い灰色)に黒っぽい色のズボン。そしてちょっと代わった布靴をはいている。そして、外股にヨチヨチと歩いている。初めて見たとき「あ、これが纏足した足なんだ」と心に痛みを感じながら目をそらしたことを覚えている。
足の親指だけを残し、ほかの指を内側に曲げて、長い布で縛るの。つま先からか、踵からかは知らないけど。その足は、本当に「三寸金蓮」(10cmほどの蓮の花びら)。本当に小さいの。だけど、そんな足も成長するから、足の甲は厚いわよ。とっても不思議な形をしている。
足を縛り始めたころ、痛くても痛くても、足を縛ったばかりじゃなくて、痛みをこらえながら歩かされたということよ。それでも嫁に行けないとなると、大問題だから。だって、何を見るよりもまず、足を見られたらしい。それにね。私の母は、ちょっとだけ縛ったけれど、止めたの。そう言う自由な風潮もある時代だったから。でも姑にはずっと影で言われつづけていたわ。「足が大きいのに」って。
祖母は、死ぬときに履く靴を自分で作っていたの。とても素敵な蓮の葉なの刺繍をした紺色の靴だった。子供心に「もったいないなぁ」って思ったのを覚えているわ。
李華さんの思い出話だ。彼女のお母さんは子供も少なく、だから甘やかされて、その時代の風潮もあってちょっとだけ足を縛っただけですんだという。だけど、普通の足の形はしていなかったと。そして彼女の四合院に間借りをしている80歳近くのおばあちゃんはやっぱり小さい足をしている。
祖母がね、友達3人で天安門のあたりにお散歩に行くの。その3人とも纏足で。ヨチヨチ歩きなのね。その姿、なんとも言いようがなかったわ。
それから、その3人がときどき足の品評をしているのよ。(笑)
足を洗うときは、そりゃ大変だったわよ。骨から曲げた足を隅々まで洗うんだから。なんて手間がかかるんだろうって思ってみていたわ。
もう数年経ったら、消えてしまうであろう、今でも残る、昔の弊習の名残。
足をこのように矯正していた。
東方書店出版
「チャイニーズグラフィティ」より
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