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燕京雑考@ブログ版
中国・北京の歴史、風習を紹介。一日一つを目指します。
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北京っ子の女性に聞いた年末の大掃除のお話です。

(十二月)二十三日になるとやっぱり、大掃除と思うのね。
時間がないからやらないけれど、兄嫁はきちんとやっているわよ。
この日、小さいときには、飴をもらえるの。
祖母が、「あんたにやるんじゃないよ、竈の神様にやるんだから、竈にも一つ投げ入れてね。」
なんて言われて、この日が、ただ飴をもらえる日じゃないってようやくわかったわ。
この日は、竈の神様が天界に行く日なのだけど、一年の一家の様子を天の神様に話すのね。それで「甘いこと」を言ってもらおうって飴を竈の神様に上げるのよ。
関東糖っていうんだけど、丸い飴で。普通にいつでも売っている丸い飴のこと。でも、この日になると買わなきゃって思うし、お店の人も買うことを勧めるし...。何か良く分っていない若い人もこの日には飴を買っているわね。

竈に飴を入れると、すぐに燃えちゃって真っ黒になるの。ただそれだけのことなんだけど...。

そしてこの日に、大掃除をして、年画をはったり、春聯を貼ったりね。
最近ではこんなものも春場所もなくなったし...。売っているのもあまりなくなったわね。

二十三日は大掃除をしなくちゃって、年取った姑なんかは「ま、出来なくても、気持ちだけ!」ってあちらこちらを煤払いするような格好で、ごまかしているわ。だって、この日が特別休日でもないし、この日に大掃除できるかどうかなんてわからないものね。


年画とは、神様やおめでたい絵を版画にした、色鮮やかな絵です。

中国の昔の習慣では、十二月二十三日は大掃除、そして新しい年画や春聯を飾って、心機一転、新年を迎えるのでした。

参考:年画

注:大掃除の日は二十三日とは限らず、二十四日だったりもするようです。



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年画 目次

年画は、年越しのときに壁に貼られるおめでたい絵のことです。各種のおめでたいデザインがあり、また地方ごとに特色があります。
そのいくつかを紹介しましょう。

◇ 天津楊柳青年画

◇ 蘇州桃花塢年画

◇ 山東濰坊楊家埠年画


◇ 四川綿竹年画

◇ 河南朱仙鎮年画

◇ 広東仏山年画

◇ 河北武強年画

◇ 陜西鳳翔年画




山西臨汾平度年画はすでに伝承が途絶えてしまい、現在愛好家の親子が制作しているのみだといいます。保護しないと、いつかは他の年画も消えてしまうかもしれませんね。

北京人である李華さんは、お正月の準備に必ずお母さんに頼まれて年画を買ってきたといいます。彼女の思い出によると、それは天津楊柳青年画の「蓮年有余」という蓮の花をバックに魚を抱いた子供の絵で、それ一枚を買ったあとは自分の好きな絵を買ってもよいといわれていたそうです。そして二十三日の大掃除のあとに、お部屋の中にそれらは貼られます。

彼女に確かめたところ、日本のお正月飾りを焼く習慣などはなく、汚れたときにはずすぐらいだとのことです。たいてい年末までは残っていないけれど……とのことです。

年画:陜西鳳翔年画



明中期、陜西省関中で始まりました。
赤・緑・黄の3色を主に使った、簡潔な作風が特徴となっています。

年画:河北武強年画



華北一体に流行した年画。
明・永楽年間に始まったとされ清の康煕から嘉靖年間に最盛期を迎えました。
物語の場面を描いたもの、風俗を描いたものがおおいです。
年画:広東仏山年画



門に飾る”門神”絵が中心。
線は太く、絵は簡潔で、色彩は数色で鮮やかに彩られています。
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