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燕京雑考@ブログ版
中国・北京の歴史、風習を紹介。一日一つを目指します。
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「金のなる木(揺銭樹)」(燕京歳時記)

松柏という木の大きな枝を花瓶に挿し、古銭、紙でつくった金塊、石榴の造花などをそこに飾る。これを金のなる木という。


画像は揺銭樹の年画

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「チベット香」(燕京歳時記)

チベット香は、チベットにて作られる。
その香りは濃厚だ。
沈香、檀香、ウン香、降香といった香りをすべて兼ね備えている。
毎年年の暮れに、王侯貴族の屋敷では夜を徹してこの香を焚く。
軒端や、家の角でこの馥郁たる香りが鼻を突く。
まさに香の中の高貴なる物である。
花売りの人達は、温室で育てた花を「唐の花」と呼ぶ。
毎年、年越しにこれを買って、贈答に使う。牡丹は美しく、金柑は黄色く実った実の重さで枝を垂れ、一面が花の香りで満たされる。
温かな香りは鼻をうち、春の盛りを一堂に迎えたかのようだ。
だから別名「堂花」ともいうのだ。

『日下旧聞考』には
都では十二月に牡丹、梅、桃、探春花などの花が売られる。これらは温室に置かれ火で暖めて咲かせたものだ。これがいわゆる唐の花である。この温室で育てる方法は漢の時代にもあったという。漢の時代、大臣の庭園で冬にねぎ、にんにく、野菜などを育てていたが、屋根を覆い、昼夜火をたいて温度を上げ、それによって収穫があったという。召信臣という官僚は少府の役人をしていたとき、季節はずれのこういったものは人を害するので皇帝に献上してはならないと考え、奏上して、季節はずれのものの献上を止めさせた。しかし、唐の時代の詩に「内園分得温湯水、二月中旬已進瓜(内庭をわけ、温水を得た。二月中旬、瓜を収穫、献上した)」と詠まれている。これも温室栽培によったものだ。

と書かれている。

「絵売りの小屋」(燕京歳時記)

毎年十二月になると、にぎわっている地域では莚小屋を作り、おめでたい絵(年賀)が売られる。
女子供は競うようにそれを買う。
これがまた年末に華やぎを添える。

「門神」(燕京歳時記)

門神はみな、甲冑をまとい、矛を持ち、弓を懸け、剣を差している。
この神々は伝説の神荼(しんと)と鬱壘(うつるい)だとか、秦瓊(しんけい)と尉遅敬徳(うつちけいとく)だとかいわれているが、実際はそうではない。
これらは門神なのだ。
そもそも門は家中で祭らなくてはいけない「五祀」の筆頭で、門神は邪神ではないのだ。
都の人達は、門神を神であるといいながら、特別に祭っていないので、実際の門神の意味をなくしているといえる。
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