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燕京雑考@ブログ版
中国・北京の歴史、風習を紹介。一日一つを目指します。
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虫や鳥が鳴くには、適した季節がある。人の工夫でその時期を変えようとしても、またそれも季節に関係している。都の五月以降、くつわむしが道端で売られる。値段は一匹十二文ほどでしかない。十月になると養殖のものが生まれる。その値段は一匹数千文もする。七月中旬に出てくるこおろぎの高価なものは、数金の値段だ。白麻頭、黄麻頭、蟹がい青、琵琶翅、梅花翅、竹節髯などの種類がある。よく戦うものが値段が高い。しかしそれも十月になると数百文ほどの値段になってしまう。この季節のものは鳴き声を楽しむためのものだからだ。こおろぎの種類に、えんまこおろぎがある。秋には一文で十数匹も買えるが十月になると一匹数千文にもなる。その鳴き声は金石のような音を繰り返し、その音は長く振るえて聞こえる。冬の夜にこの鳴き声を聞くと、悲しくも、喜ばしくも感じる。まさに有閑人の風流である。これを楽しむために、秋にこおろぎを入れる缶には永楽官窰、趙子玉、淡園主人、静軒主人、紅澄漿、白澄漿などといった特別な種類のものがある。上質のものは一対で数十金する。冬のこおろぎを入れる壺やえんまこおろぎを入れる壺も、よいものは数十金する。壺は、紫で厚くつやがあるものが上質であるとされている。いわゆる壺盧器と呼ばれているものが、それである。都には世襲貴族でも貧しいものが多くいるが、放蕩する場所こんなところにもあり、色事や宝石などばかりではないのだ。

『日下旧聞考』をみると、
永定門外五里にある胡家村はこおろぎの産地である。よそのものより、よく戦う。こおろぎは秋の気配のころに生まれ、その鳴き声は、強く澄んだ悲しげな音である。性質は勝気だ。現在、都の人は人工孵化をして、晩冬までその鳴き声を続かせることができる。その方法は、盆に土を盛り、その土に卵を産ませ、冬に入ってからそれをオンドルの上において毎日水をやって綿で覆っておくというものだ。五、六日で動き出し、七、八日で幼虫になる。それを野菜の上において水をかけ覆っておく。足や羽が出てきて、それが黒くなり、一月もたてば鳴き出す。秋に比べ鳴き声は繊細で、普通春に生まれる虫が反対に春に死ぬ。こおろぎにはいろいろな別名があるが、こおろぎの種類は3種類ほどある。大きく脂ぎって光っているのがえんまこおろぎ、頭が大きいのが拍子木頭、口のとがっているのがおちょぼ口という。

と記されてる。蟋蟀というのがこおろぎの正式名称で、絡緯というのがくつわむしの正しい名前だ。またくつわむしは螻をさすこともある。

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訳注:

よく戦う虫: 中国ではこおろぎを戦わせて遊ぶ。そのため強い虫には高い値がつけられる。

秋には一文で十数匹も買えるが十月になると……: 旧暦の十月は冬に数えられる。秋は旧暦の七、八、九月。



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参照;
くつわむし売りの図 があります。
こちらをご覧ください。

北京民間生活彩図:賣蟈蟈図(くつわむし売りの図)
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